2006.12.09

■ 原書に挑戦(516)~ The Historian 読了

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

終盤に来て、他の本を読んでいたため、結局、この本を読み終えるのに時間がかかってしまいました。この本は実に読み応えがありました。最初は父と娘のどちらがしゃべっているのか分かりにくく感じましたが、交互に登場し、話の内容が次第に収斂し、クライマックスを迎える所に向かうまでのストーリーの語り口はなかなか「読ませてくれる」ものでした。この本を読む前に見ていた書評では、歴史的事実を丹念に整理し、それを歴史家の視点で語っていくと書いてあったので、ノンフィクション風の内容を想像していました。しかし、歴史の断片をつなぎ合わせていく手法に多数の手紙を配した点に新鮮味があって、普通のフィクションよりもずっとスリルとサスペンスがありましたね。この本は一読の価値があります。お奨めです。

amazon.comに、この本を理解するのに必要なアメリカでの教育年齢数(難易度)を示す Fog Index が載っています。この本は 11.2ですね。つまり、アメリカの高校3年生レベルということになりそうです。私が読んでいる本は、たいてい、かなり軽めの本なので、この値が 10 を超える事はあまりないように思います。そういう意味では少し難し目の内容の本なのでしょうか。

この本の総語数は 241,021 です。

2006年の実績:
12 冊、 2,628,380 語

これまでの累計:
633 冊、59,662,380 語

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■ 原書に挑戦(515)~ historian

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

Rossi教授にやっと出会う事ができたのですが、Draculaの魔の手から逃れるためにすぐに別れる事になります。Paulは、Rossi教授が残した何通もの手紙を読んでいます。その中で、Draculaが言ったとされる次の言葉が心に残りました。

"I became an historian in order to preserve my own history forever."

Draculaが Rossi教授を誘拐したのも、Draculaの歴史を整理し、後生に残すためでした。そのために数世紀にわたって収集した膨大な資料を格納した隠れ家に住み、そこで印刷した資料を手下が世界中に配布するという仕組みを作り上げていたようです。その隠れ家の入口は常人の力では開ける事ができない構造になっており、Draculaが眠りにつく朝になってもRossi教授は脱出することもままならなかったのです。

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2006.12.03

■ 原書に挑戦(492)~ バルカン半島

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

この物語もおおいよ大詰めに来ました。Rila という場所に行くことなりました。Dracula との対面シーンではなく、いよいよ Rossi教授がどうなったかが明かされるシーンに近づいていきます。行く途中に山が異様に多い事に Paulは気づきます。

I remarked on this to Helen, who was gazing out the opposite window in the backseat of Ranov's car, and she nodded. 'Balkan is a Turkish word for mountain.'

バルカン半島の Balkan とは、山の事なんですね。知りませんでした。

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■ 原書に挑戦(491)~ eyeteeth

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

I looked carefully at his eyeteeth when he spoke, but they didn't appear any sharper than usual; if anything, they were ground down and gray in his unpleasant smile.

政府の監視役かと思われる Ranov の表情を表現している所です。ここで気になったのは、eyeteeth という言葉です。eyetooth の複数形だとは分かったのですが、特殊な意味はなく、素直に、糸切り歯の事のようです。しかし、それが ground down and gray とまで表現されることがあるというのも不思議です。

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■ 原書に挑戦(490)~ design and execution

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

PaulとHelenはDraculaの手がかりを求めて旅をしています。Buda Pest で出会った、Stoichev というどちらかというと味方の老学者と、政府の監視役のような Ranov と4人でいつも一緒に行動しています。Ranov の注意を引かないようにしながら3人で密談するのもなかなか難しい状況にありますが、そんな時、Paul と Helen の話を聞き、Stoichev が古文書をあらためて調べていて、手紙を見つけます。

They were similar to Brother Kiril's letters in design and execution, written in a beautifully close, neat hand on leaves that were faded and crumbling at the edges.

ここで気になったのは、design and execution という言葉です。対象が手紙なので、手紙のデザインと見栄えのような感じだと思います。

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2006.11.26

■ 原書に挑戦(488)~ mop up stew with a piece of bread

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

PaulとHelenはDraculaの手がかりを求めて旅をしていますが、Rossiの行方を捜すのが先決なので、Helenの母親を訪ねます。そこでRossiとHelenの母親が会っていた頃に、Rossiが落としていったという手紙を預かります。その手紙の中にDraculaの手がかりがかなり多く含まれていました。Rossiは、Georgescuという人物と出会い、Draculaの居城であったという場所を探索していました。

He broke a piece of bread for himself and mopped up his stew with it, smiling.

ここの Heが Georgescuです。単に食事のシーンであり、話の進行とは無関係ですが、パンをシチューに浸して食べる際に、最後にシチューをパンでぬぐい取る、という言い方は、英語ではこう書けば良いようです。

11月 26, 2006 →Elizabeth Kostova, ■原書に挑戦 | | コメント (0) | トラックバック (0)

■ 原書に挑戦(487)~ ubiquitous bread

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

PaulとHelenはDraculaの手がかりを求めて、イスタンブールから共産圏のBudapestにやってきています。学会で講演するという名目で入国していますが、講演内容はPaulの専門でも何でもなくて、Helenの専門であり、話すことすべてをHelenから教わり、それを知ったかぶりをして講演するのですから、危ない橋を渡っています。その講演会場で出会ったのが、Hugh Jamesです。彼もDraculaの本をもらっているという驚愕の事実を知り、唖然としてお互いに身の上話をしています。

Hugh had ordered several national dishes for me to try, and we had just settled in with the ubiquitous golden-crusted bread and a bottle of Tokay, a famous wine from the northeastern corner of Hungary, as he explained.

「ユビキタス」はIT用語としてかなり定着してきた感がありますが、パンにユビキタスという形容詞が付くとは思ってもみませんでした。実に意外でした。

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2006.11.14

■ 原書に挑戦(481)~ upside-down smile

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

父と娘の話が続いていましたが、父は Paul という名前で、失踪した Rossi教授の教え子の大学院生だった頃の話をしています。父Paulが娘に語っている話の中に、Rossi教授の娘で、Helen Rossiという人が出てきます。この人と一緒に旅をして Rossi教授を捜し回るというのが、この小説のメインストーリーのようです。ここまで読んでくると、この「娘」の母親は誰か?という疑問が出てきます。これは次第に解き明かされていきます。まだ、Paulにとって、お高い存在だった頃の Helenの様子が記されています。

Helen wore her bemused, upside-down smile, looking about her at these strangers as if they pleased her, but as if she thought she understood them all too well.

イスタンブールのレストランで周りを見渡しているシーンです。upside-down smile というのがどういうものか?はっきり分かりません。口の形状の事を言っているのか、笑い方が逆なのか、はっきりとは断定できませんが、少しひねくれた感じは出ています。

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■ 原書に挑戦(480)~ just shy of

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

父は娘に、失踪した Bartholomew Rossi の手紙を見せます。地図を見つけた、どうも Dracula の墓のありかを示す地図らしい、という内容のものです。娘はこの手紙に興奮したのか、夜中になっても寝付けず、真夜中に向かってカウントダウンしていく時計を見ていました。そんな時の出来事です。

The minute hand on my watch jumped suddenly, and I jumped with it. It showed just shy of twelve o'clock.

真夜中の2分前くらいまでカウントダウンしていたのですが、突然、時計の針が動いたというのです。なぜかは分かりません。そりゃあ、時計の針がびくっと動けば、びっくりしますね。それが真夜中の12時の少し前なのでした。

shy of: {主に米話}(完全な額や数に)達しない、足りない。

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2006.11.04

■ 原書に挑戦(478)~ gypsy summer

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

ここではまだ、父と娘が旅をしています。母はどこにいるのか?などといった事は一切語られていません。外交官の父の出張に連れて回ってもらって、社会勉強をしている所です。普通ならほほえましい光景なのですが、この物語の設定はそんな生やさしいものではありません。この一見、無駄で冗長な記述と思える部分がず~っと続いていますが、後からのドラマチックな展開から振り返ってみると、この平和な一瞬が長く続いている事がとても意味ありげに感じます。

My father and I walked slowly along, enjoying the end of a warm autumnal day--in the local dialect, this was called gypsy summer, a woman in a shop had told us--and I reflected on the differences between the Western world, a few hundred kilometers away, and this Eastern one, just a little south of Emona.

gypsy summer の所ですが、通常は Indian summer と言いますね。地方によってはこのような呼び方をすると言うことでしょうか。なかなか興味深い所です。

11月 4, 2006 →Elizabeth Kostova, ■原書に挑戦 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.23

■ 原書に挑戦(470)~ odds and ends

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

この本はなかなか本題に進みません。主人公の16歳の少女の父親が旅行に連れて行ってくれて、その旅先でのみ語ってくれる話がず~っと続いています。まさか、この調子ですべてを語り尽くそうというのでしょうか?

In Istanbul there is a little-known repository of materials, founded by Sultan Mehmed II, who took the city from the Byzantines in 1453. This archive is mostly odds and ends collected later by the Turks as they were gradually beaten back from the edges of the empire.

ódds and énds: 種々雑多な事柄,寄せ集め;余り物,残り物,くず物,がらくた

7月 23, 2006 →Elizabeth Kostova, ■原書に挑戦 | | コメント (2)

2006.06.26

■ 原書に挑戦(460)~ ドラキュラはドラゴンの息子

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

Dracula means son of Dracul--son of the dragon, more or less. His father had been inducted into the Order of the Dragon by Holy Roman Emperor Sigismund--it was an organization for the defense of the Empire against the Ottoman Turks.

ドラキュラは、ドラゴンの息子のようなものらしいですね。そして、ドラキュラの父親は、Order of the Dragon に入っていたようです。この後、ドラキュラのシンボルとしてドラゴンが示されていくのですが、ドラキュラとドラゴンに関係があるなどとは意外な展開です。

6月 26, 2006 →Elizabeth Kostova, ■原書に挑戦 | | コメント (0)

2006.06.25

■ 原書に挑戦(459)~ 複雑な人称関係

Elizabeth Kostova の "The Historian" です。

第2章の始めの所は以下のような書き出しになっています。

You already know, my father said, that before you were born I was a professor at an American university. Before that, I studied for many years to become a professor.

最初の You は、この物語の主人公の女の子を指しています。I とは、この女の子の父親です。しかしながら、"my father said" の所の my は、女の子なのです。構文的にも意味的にも取り違える事はありませんが、こういう書き方をしないといけなくなるのは複雑です。へたをすると誤解されてしまいます。この第2章は、女の子の父親がいかにして、Dracula と関わり始めたかを話している章です。

6月 25, 2006 →Elizabeth Kostova, ■原書に挑戦 | | コメント (3)

2006.06.23

■ 原書に挑戦(448)~ 3冊追加

読み終わっていない本だらけにも関わらず、また3冊追加してしまいました。本を amazon で買っている限り、時々、250円程度のギフト券が送られてきて、これに有効期限があるもので、もったいなくて使ってしまいます。このため、どうしても定期的に本を追加購入してしまうという事になります。完全に amazon の戦略にはまりこんでいる感じもします。

Jeffery Deaver の "The Twelfth Card"
 これは言わずとしれた、A Lincoln Rhyme novel ですね。The Bone Collector に始まり、ず~っと読み続けているので、新作が出るとどうしても読まずにはいられません。Amelia と Lincoln はどうなっていくのだろう?という興味もありますね。
 
Elizabeth Kostova の "The Historian"
 主人公の16歳の少女が、父の書斎で、奇妙な手紙を発見します。その書き出しは "My dear and unfortunate successor:" です。Dracula の謎を探る話のようです。
 
Irving Wallace の "The WORD"
 ダビンチコードよりも遙かに古い 1972年に書かれたこの本は、イエスキリストの弟 James が書いたと言われる第2の聖書?にまつわる話のようです。
 
この興味深い3冊を、いつどのような順序で読んでいくか?は、なかなか悩み所です。多読中の多数の本よりも優先させて読んでしまうとは思いますが・・・。

6月 23, 2006 →Elizabeth Kostova, →Irving Wallace, →Jeffery Deaver | | コメント (0)